日本リージョンがある海外VPSはどこか

最終更新: 2026-07-30

海外VPSを日本から使うとき、最初にして最大の分岐点が「日本リージョンがあるか」です。ここを外すと、どれだけ安くても用途によっては使い物になりません。

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「海外VPSは安いが遅いのでは」という不安は、半分正しく半分間違っています。日本リージョンを持つ会社を選べば、国内VPSとほぼ変わらない速度で使えます。逆に日本リージョンがない会社を選ぶと、シンガポール経由でも往復70ms以上、米国なら100ms以上が乗ります。

まず結論から。

日本リージョンを持つのはこの4社

サービス日本リージョン最寄り(日本なしの場合)最安月額備考
Vultr 東京
nrt
大阪
osa
$2.50
約388円
アジア最大級の拠点。在庫は潤沢 / 西日本向け・冗長構成の副系に
Contabo 東京
jp
€4.99
約838円
日本・韓国向け。転送量無制限
Linode (Akamai) 東京
jp-tyo-3
大阪
jp-osa
$5
約775円
拡張リージョン。新世代ハード+VPC/Firewall無料 / コアコンピュートリージョン
Hetzner なし シンガポール €3.79
約637円
2024年開設。実測で日本から約67ms
DigitalOcean なし シンガポール $4
約620円
実測で日本から約75ms
RackNerd なし ロサンゼルス $1.83
約284円
実測で日本から約107ms
Oracle Cloud 東京
ap-tokyo-1
大阪
ap-osaka-1
無料枠あり
0円
無料枠の在庫が特に枯渇しやすい / 東京より在庫が取れることがある

日本リージョンを持つのは Vultr・Linode(Akamai)・Contabo・Oracle Cloud の4社です。このうち東京と大阪の両方を選べるのは Vultr・Linode・Oracle Cloud の3社、Contabo は東京のみです。

一方、コスパで人気の Hetzner・DigitalOcean・RackNerd には日本リージョンがありません。安さだけを見て選ぶとここで失敗します。

そもそも日本リージョンだと何が変わるのか

変わるのは主に3つです。

1. 往復遅延(RTT)

体感に一番効きます。目安は次のとおりです。

接続先往復遅延の目安体感
国内(東京・大阪)3〜20ms国内VPSと区別がつかない
韓国・台湾30〜50msわずかに引っかかる
シンガポール70〜100msSSHの入力に遅れを感じる
米国西海岸100〜140msゲーム・トレードは厳しい
欧州220〜280ms対話的な操作は苦痛

SSHでコマンドを打つとき、往復100msだとキー入力の反映が明確に遅れます。作業効率に直接効くので、開発用に常用するなら日本リージョンの価値は高いです。

2. ダウンロード・アップロード速度

遅延が大きいとTCPのスループットも落ちます(帯域遅延積の問題)。同じ回線契約でも、遠いサーバーからのダウンロードは目に見えて遅くなります。大きなDockerイメージやLLMのモデルファイルを頻繁に往復させるなら効いてきます。

3. 法令・データの所在

個人利用ではあまり問題になりませんが、業務で使う場合はデータの物理的な所在地が問われることがあります。日本リージョンならこの説明が簡単になります。

落とし穴:「東京リージョン」でも速いとは限らない

ここが、スペック表だけを並べた比較サイトでは分からない部分です。

リージョン名は設備の設置場所を示すだけで、そこへ至る経路が最適である保証はありません。実際に起きるのは次のようなことです。

  • 東京にサーバーがあるのに、経路が海外のバックボーンを経由して遠回りしている
  • 特定のISP(特に一部のモバイル回線)からだけ経路が悪い
  • 夜間のピーク時間帯だけ混雑して遅延とパケットロスが増える

つまり「東京リージョンあり」という表記は必要条件であって十分条件ではないということです。

サービスリージョン平均RTT最小ゆらぎロスホップ
Linode (Akamai) 東京 (jp-tyo-3)
1.6ms
0.7 1.2 0% 9
Vultr 東京 (nrt)
1.7ms
0.4 2.2 0% 7
Oracle Cloud 東京 (ap-tokyo-1)
2.9ms
1.8 1.6 0% 8
Vultr 大阪 (osa)
7.9ms
6.5 1.6 0% 9
Linode (Akamai) 大阪 (jp-osa)
8.6ms
8.0 0.8 0% 17
Oracle Cloud 大阪 (ap-osaka-1)
9.2ms
8.5 1.7 0% 6
Vultr ソウル (参考)
32.9ms
31.4 1.6 0% 10
Hetzner シンガポール (sin)
67.3ms
67.0 0.2 0% 6
Linode (Akamai) シンガポール (参考)
68.0ms
67.3 1.1 0% 10
Vultr シンガポール (参考)
71.6ms
67.9 3.6 0% 9
DigitalOcean シンガポール (sgp1)
75.3ms
74.3 2.1 0% 13
Vultr ロサンゼルス (参考)
107.5ms
107.0 0.6 0% 9
DigitalOcean ニューヨーク (nyc3)
141.7ms
140.6 1.2 0% 16
Vultr アムステルダム (参考)
224.5ms
223.4 1.6 0% 15
Hetzner フィンランド (hel1)
228.8ms
228.3 0.7 0% 14
Hetzner ドイツ (fsn1)
233.4ms
228.5 5.7 0% 11

計測日時: 2026-07-30T18:06:39+02:00 / 計測地点: 日本国内(東京) / ICMP ping x15 + MTR x5。計測方法の詳細

各社の日本リージョンを個別に見る

Vultr — 東京・大阪の2拠点

日本リージョンを重視するなら第一候補です。東京はアジアでも古くからある大きな拠点で在庫が安定しており、大阪も選べるので冗長構成が組めます。時間単位課金なので「1日だけ立てて計測して壊す」という使い方ができるのも、この用途では効きます。

VultrPR東京・大阪の2拠点。時間課金で検証しやすい
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Linode(Akamai) — 東京・大阪、ネットワーク品質重視

Akamaiのバックボーンに乗っているぶん、経路品質が安定しています。東京は新しいハードウェア世代の拡張リージョン(jp-tyo-3)が使え、VPCとCloud Firewallが無料で付きます。

注意点として、旧東京リージョンは新規作成できません。古い解説記事のとおりに操作すると選択肢に出てこないので、jp-tyo-3 を選んでください。

Contabo — 東京のみ、ただし転送量無制限

同じ金額で載るスペックが頭ひとつ抜けています。4vCPU/8GB が €4.99 という価格は他社の3分の1程度です。さらに日本リージョンは転送量が無制限と公式に明記されており、大容量の配信やバックアップ用途と相性が良いです。

引き換えに、時間課金がない(最低1ヶ月分は発生する)こと、共有環境なので性能のブレが大きいこと、サポートの応答が遅いことは織り込む必要があります。

ContaboPR8GB RAMが€4.99〜。東京は転送量無制限
公式で料金を見る

Oracle Cloud — 東京・大阪が無料枠で使えるが、在庫が取れない

条件だけ見れば最強です。ARM 4コア / 24GB RAM が永年無料で、東京・大阪リージョンがあり、管理画面も日本語です。

ただし無料枠のインスタンスは在庫が慢性的に枯渇していて、作成しようとしてもエラーになることがほとんどです。加えてアカウントが予告なく停止された事例も報告されています。本番用途には推奨しません。「取れたらラッキー」の枠として考えてください。

日本リージョンがない会社はどう使うか

Hetzner・DigitalOcean・RackNerd は日本リージョンを持ちませんが、用途を選べば十分に合理的な選択肢です。

レイテンシが体感に影響しない用途であれば、距離は問題になりません。

  • CI/CDのビルドサーバー
  • 定期バッチ、クローラー、スクレイピング
  • バックアップの保管先
  • 開発用の使い捨て環境

特にHetznerのARM64プランは同スペック帯で世界最安クラスなので、「遅くても困らない処理」を逃がす先として非常に強いです。

詳しくは日本リージョンがない海外VPSの使いどころで解説しています。

用途別:日本リージョンは必須か

用途推奨RAM候補選び方のポイント
Claude Code / AIエージェント常駐 4GB VultrContaboLinode (Akamai) 常時稼働のエージェントを置く。RAMとディスクI/Oが効く
ローカルLLM (Ollama等) 16GB ContaboHetznerOracle Cloud CPU推論なら大容量RAM、速度が要るならGPU
トレードBot (Hyperliquid/DEX) 2GB VultrLinode (Akamai) 取引所APIへのレイテンシが収益に直結
FX自動売買 (MT4/MT5) 4GB Contabo Windows VPSが必要。24時間安定稼働が前提
セルフホスティング 1GB VultrContaboLinode (Akamai) ブログ・Nextcloud・Gitea等。コスパ優先で選べる
ゲームサーバー (Minecraft等) 4GB Vultr 同時接続数×RAM。日本リージョン必須

判断に迷う場合は、次の基準で考えてください。

結局どれを選べばいいか

3行でまとめます。

  1. 日本リージョンが要る、迷いたくない → Vultr(東京・大阪、時間課金)
  2. 日本リージョンが要る、スペック単価を最優先 → Contabo(東京、8GBが€4.99、転送無制限)
  3. 日本リージョンは不要、とにかく安く → Hetzner(ARM64が最安、ただし最寄りはシンガポール)

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東京・大阪の2拠点があり、時間単位課金なので合わなければすぐ捨てられます。日本リージョンを試すコストが最も低い選択肢です。

  • 日本リージョン: 東京・大阪
  • 最安 $2.50〜 / 時間単位
  • 東京・大阪の2拠点で日本からのレイテンシが最小

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よくある質問

海外VPSで東京リージョンがあるのはどこですか

Vultr(東京・大阪)、Linode/Akamai(東京・大阪)、Contabo(東京)、Oracle Cloud(東京・大阪)の4社です。Hetzner、DigitalOcean、RackNerdには日本リージョンがありません。

日本リージョンがないVPSは使えませんか

用途によります。ビルド、バッチ処理、バックアップ、非同期のクローラーなど、応答速度が体感に影響しない用途なら問題なく使えます。むしろHetznerのように日本リージョンがない会社のほうがコスパは上です。避けるべきなのはゲームサーバー、トレードBot、日本のユーザーが直接アクセスするWebサービスです。

東京と大阪はどちらを選ぶべきですか

首都圏から使うなら東京、関西から使うなら大阪が基本ですが、差は数ミリ秒です。それより在庫状況とプランの選択肢で決めたほうが実用的です。冗長構成を組むなら東京と大阪に分けるのが有効です。

東京リージョンと書いてあれば必ず速いですか

いいえ。リージョン名は設置場所を示すだけで、経路が最適とは限りません。海外のバックボーンを経由して遠回りしている場合、地理的に近くても遅くなります。当サイトが経路まで実測しているのはこのためです。

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