海外VPSにWindowsを立てる
海外VPSでWindowsを使うとき、最初の分かれ目は「そもそも提供しているか」です。主要7社のうち、公式にWindowsイメージを選べて日本リージョンもあるのは2社しかありません。
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対応状況:Windowsが選べる会社は限られる
海外VPSでは、Windowsは「あって当たり前」ではありません。Linuxしか提供しない事業者のほうが多いというのが実情です。
| 会社 | 公式のWindowsイメージ | 日本リージョン | 判定 |
|---|---|---|---|
| Vultr | あり(ライセンス料が加算) | 東京・大阪 | 第一候補 |
| Contabo | あり(有料アドオン) | 東京 | 単価重視ならここ |
| Oracle Cloud | あり(有料 / BYOL) | 東京・大阪 | 無料枠では使えない |
| DigitalOcean | なし | なし | 対象外 |
| Linode (Akamai) | なし | 東京・大阪 | 日本リージョンはあるが使えない |
| Hetzner Cloud | なし(ISO持ち込みのみ) | なし | 上級者向け |
| RackNerd | あり(専用プラン) | なし | 日本から遠い |
提供していない会社の言い分
DigitalOceanは公式ドキュメントで「Droplet向けのWindowsイメージは提供せず、Windowsのカスタムイメージもサポートしない」と明言しています。Linodeも同様に、Windowsはサポート範囲外という立場です。
Hetzner Cloudはやや事情が違い、Windowsイメージは用意していないものの、自分でライセンスを持ち込んでISOから手動インストールすること自体は認めています。公式ドキュメントには手順とVirtIOドライバの注意まで書かれています。ただしArm64のプランではWindows Serverが動きません。
費用の現実
Windowsを選ぶと、本体価格とは別にライセンス料が加算されます。
Vultrの公式ドキュメントは、月額に含まれるかという質問に対して「Windowsを選んでデプロイすると、選択したComputeプランに応じた追加のライセンス料が適用される」と回答しています。つまりプランが大きくなるほどライセンス料も上がります。
小さいプランでおおむね月$16前後が目安です。
Oracle Cloudは2つの方式を選べます。OCIがライセンスを提供する有料方式(OCPU単位の従量課金)と、自分で持っているライセンスを使うBYOL方式です。BYOLならOCI側の追加課金はありません。ただしBYOLは無料枠(Always Free)とトライアルでは使えません。
Linuxとの合計費用を比べる
| 構成 | 月額の目安 |
|---|---|
| Contabo東京 8GB + Linux | €4.99(約840円) |
| Vultr東京 4GB + Linux | $20前後 |
| Vultr東京 4GB + Windows | 上記+ライセンス料 |
| 国内のFX専用VPS | 2,000〜4,000円 |
Windowsライセンスを乗せると、海外VPSの価格優位はかなり削られます。 MT4/MT5が目的なら、Linux + Wine という選択肢を先に検討する価値があります。判断材料はMT4/MT5を動かすVPSにまとめました。
立て方
Vultrを例にします。他社でも流れは同じです。
- Deploy から Cloud Compute を選ぶ
- Location で Tokyo または Osaka を選ぶ
- Image のタブで Windows を選び、バージョンを選択する
- プランを選ぶ(この時点でライセンス料が加算された金額が表示される)
- デプロイ
デプロイ後、管理画面にAdministratorの初期パスワードが表示されます。Linuxと違ってSSH鍵ではなくパスワードでのログインになります。
RDPで接続する
Windowsから
標準の「リモートデスクトップ接続」(mstsc)を使います。
Win + R → mstsc → Enter
コンピューター欄にVPSのIPアドレス、ユーザー名は Administrator、パスワードは管理画面に表示されたものです。
macOS / Linuxから
- macOS: Microsoft公式の Windows App(旧 Microsoft Remote Desktop)
- Linux:
remminaまたはfreerdp
sudo apt install -y freerdp2-x11
xfreerdp /v:<IPアドレス> /u:Administrator /size:1600x900
接続できないとき
| 症状 | 原因と対処 |
|---|---|
| 繋がらない(タイムアウト) | 起動直後はWindowsの初期設定中。5〜10分待つ |
| 認証は通るが黒画面で止まる | 解像度指定を下げて再接続する |
| パスワードが違うと言われる | 管理画面のパスワードをコピペする(手打ちは記号を間違えやすい) |
| 日本語キーボードで記号が化ける | 後述の言語設定を先に済ませる |
RDPを晒したままにしない
ここがWindows VPS最大のリスクです。
3389番(RDP)を全世界に開けておくと、総当たり攻撃が始まります。 Linuxのsshdと同じ状況ですが、Windowsは鍵認証が標準ではないぶん、パスワードの強度がそのまま防御力になります。
やるべきことは3つです。
- 事業者側のファイアウォールで接続元IPを絞る。 VultrやLinodeは管理画面からOSの外側でフィルタできます。自宅の固定IPがあるなら、3389は自分のIPからのみ許可してください
- Administrator を使い続けない。 別の管理者アカウントを作り、Administrator は無効化する。攻撃はまずこの名前を試します
- 十分に長いパスワードにする。 管理画面が発行した初期パスワードは、そのまま使わず変更してください
Linux側の考え方は最低限のセキュリティ設定に書いていますが、「公開した瞬間から攻撃が来る」という前提はWindowsでも同じです。
日本語で使えるようにする
海外VPSのWindowsイメージは英語版です。日本語で使うには設定が要ります。
タイムゾーン
Set-TimeZone -Id "Tokyo Standard Time"
表示言語とキーボード
Settings → Time & Language → Language & region から日本語パックを追加し、サインアウトして入り直します。
MT4/MT5のように文字化けが問題になるアプリでは、表示言語に加えて システムロケール(非Unicodeプログラムの言語)も日本語にしておくと安定します。Control Panel → Region → Administrative → Change system locale から変更し、再起動してください。
Windowsを避けるという選択
そもそもWindowsが必要かを一度疑う価値があります。
| 目的 | Windows以外の選択肢 |
|---|---|
| MT4/MT5を動かす | Linux + Wine(追加費用ゼロ、実績豊富) |
| .NETアプリを動かす | .NET は Linux で動く |
| リモートのデスクトップ環境が欲しい | Linux + xrdp |
| Windows専用の業務ソフト | 代替なし。Windows一択 |
ライセンス料が月$16前後乗るということは、年間で$200近い差になります。 Linux + Wineで済むなら、その差額は本体スペックに回したほうが効きます。判断の詳細はMT4/MT5を動かすVPSを参照してください。
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日本リージョンでWindowsを立てるならVultr
東京・大阪の両方でWindowsイメージを選べます。時間単位課金なので、ライセンス料込みの実際の使用感を数時間だけ試して判断することもできます。Windowsを公式に提供し、かつ日本リージョンを持つ数少ない選択肢です。
- 日本リージョン: 東京・大阪
- 最安 $2.50〜 / 時間単位
- 東京・大阪の2拠点で日本からのレイテンシが最小
上記は広告リンクです。紹介された側に $300 クレジット(30日で失効)。価格・特典は公式サイトの表示が最新です。
よくある質問
日本リージョンでWindowsが立てられる海外VPSはどこですか
公式にWindowsイメージを提供し、かつ日本リージョンを持つのはVultr(東京・大阪)とContabo(東京)です。Oracle Cloudも東京・大阪でWindowsを提供していますが、無料枠ではWindowsを使えません。DigitalOcean・Linode・Hetzner Cloudは公式にはWindowsを提供していません。
DigitalOceanやLinodeでWindowsは使えませんか
公式には使えません。DigitalOceanは「Windowsイメージを提供せず、Windowsのカスタムイメージもサポートしない」と公式ドキュメントで明言しています。LinodeもWindowsはサポート範囲外としています。非公式な導入方法は存在しますが、サポートを受けられずライセンス面の判断も自己責任になります。
Windowsのライセンス費用はいくらですか
本体価格とは別に加算されます。Vultrの公式ドキュメントは「デプロイ時に、選択したCompute プランに応じた追加のライセンス料が適用される」としており、プランが大きいほど金額も上がります。小さいプランでおおむね月$16前後が目安ですが、確定額は必ず申込画面で確認してください。
メモリはどれくらい必要ですか
Windows Server自体がアイドル状態で2GB程度を使います。1GBプランは実用外で、最低2GB、実際に何かを動かすなら4GB以上を見てください。同じ作業をLinuxでやる場合と比べて、2GB余分に必要だと考えると見積もりを外しません。
RDPのポートは開けたままで大丈夫ですか
危険です。3389番を全世界に開放すると総当たり攻撃の対象になります。事業者側のファイアウォールで自宅のIPからのみ許可するか、それが難しい場合でも最低限、管理者アカウント名を変更し十分に長いパスワードを設定してください。